飲食店ユニオンは昨日、カフェ・ベローチェを経営する株式会社シャノアールに、店内の3密状態を解消しコロナウイルスの感染拡大を防止するため、「店内飲食禁止・テイクアウトのみの営業への切り替え」もしくは「臨時休業」を求め、団体交渉を申し入れました。
◆感染リスクに晒されながら働く従業員
多くのカフェ・チェーンやファストフード店が臨時休業や店内飲食禁止の措置をとっている一方で、シャノアールは、数店舗を除いて、時間を短縮しつつも店内飲食を含め営業を継続しています。他店舗が臨時休業やテイクアウトのみの営業に切り替わっているため、従来他店舗に行っていたお客さんが流れ込んできており、この自粛ムードの中でも来客数は減っていません。座席数は半分に減らしてお客さん同士の間隔確保を行っていますが、少なくとも9時から15時までは満席状態が続きます。感染対策が不十分ななか、従業員は多くのお客さんとの接触を強いられており、感染への大きな恐怖を抱いています。
例えば組合員が勤める店舗には窓がありません。本社からは「1時間に5分間、出入り口の手動扉を開放しておくように」と指示が出ていますが、逆に言えば1時間に5分しか換気がされていないのです。マスクを取って食事やお喋りをするお客さんと従業員が換気の悪い空間に閉じ込められていることになります。
従業員が会計や調理をするカウンター内部をしきるビニールシートなどもなく、会計・注文時などにも感染への恐怖を感じるといいます。また来客数は減少していない一方で、コロナの影響を理由とした人件費削減のため人員は削減されており、これによって通常時以上に必要とされる感染対策がおざなりにならざるを得ない状況に置かれています。例えばお客さんの退席後、テーブルや椅子の除菌清掃をする前にお客さんが着席してしまうこともしばしばあるといいます。
シャノアールは従業員に「感染が怖くて休みたい人は休んでいい」と言っていますが、休んだ際の給与補償については何も話されていません。そのような状況では多くの従業員は生活のために感染リスクに晒されながら働くしかありません。また自分が休んだ分の負担・リスクはお店が開いている以上誰かにしわ寄せされてしまうことを考えれば、個人が自主的に休めばいいという問題ではありません。
組合員は自身の感染への恐怖はもちろん、お客さんに感染させてしまうのではないかという恐怖、またそれらを通じてさらなる感染拡大を引き起こしてしまうのではないかという恐怖を抱いています。店舗を開ければお客さんが入り企業利益になるのでしょうが、果たして人命と企業利益どちらが優先されるべきなのでしょうか。
◆飲食店ユニオンの要求――休業か店内飲食禁止か
飲食店ユニオンは、①全店舗における店内飲食の禁止・テイクアウトのみの営業への切り替え、②全額の給与補償を前提とした特定警戒都道府県店舗の休業の、両方もしくはいずれかの実施をシャノアールに求めています。期間は最短でも5月6日までとしています。 これらの要求は無茶なものではありません。例えばスターバックスコーヒージャパン株式会社は、特定警戒都道府県に指定されている13都道府県の店舗を一部店舗を除き休業としています。また株式会社ドトールコーヒーは一部店舗を除き、全都道府県の直営店を5月6
日まで臨時休業としています。さらに日本マクドナルドは、4月29日から5月6日まで全店舗での店内飲食を禁止しています。
シャノアールにはこうした業界の動向に沿った誠実な対応をお願いしたいと思います。 また、カフェ・ベローチェで働く従業員と同様の問題・不安を抱えている労働者の方がいましたら、ぜひ下記のホットラインまでご連絡ください。 【飲食店で働く方々のための新型コロナウイルス関連労働相談ホットライン】 日時:毎週火曜日17:00~21:00、金曜日17:00~21:00 ホットライン番号:03-5395-5359
【新型コロナ労働相談ホットライン】 日時:5月2日13:00~20:00、5月3日13:00~20:00 ホットライン番号:03-5395-5359
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